2014年1月19日日曜日

<都知事選>政策論議深まらず…「勝てる候補」偏重の弊害も

皆さんこんにちは!

さて、東京都知事選(23日告示、2月9日投開票)は18日、立候補予定者の
公開討論会が中止となった。
今回選挙は出馬表明が遅れがちな上、恒例の討論の場も成立せず、発表
している公約が具体性に乏しいケースも。
政策論議が深まっているとは言い難く、「政策よりも『勝てる候補』擁立に
偏っていることの弊害」との指摘も出ている。

 公開討論会には当初、前日本弁護士連合会会長の宇都宮健児氏(67)と
元航空幕僚長の田母神(たもがみ)俊雄氏(65)が参加を表明した。
だが、出馬会見が遅れている元首相の細川護熙(もりひろ)氏(76)の出席が
見込めず、元厚生労働相の舛添要一氏(65)が「細川氏が出なければ不参加」
と表明。田母神氏も呼応する形で参加を取りやめ、主催する東京青年会議所は
開催当日にやむなく中止を決定した。

 都知事選はこれまでも人気や知名度頼りで政策論議が置き去りとの批判が
度々あった。1999年選挙から同会議所がほぼ毎回行っていた公開討論会は
開けない状態で、政策を見比べようにも発表している公約文書の「厚み」などが
違って比較しづらいのが現状だ。

 最も正式表明が早かった宇都宮氏は、前回知事選の際に作成した政策集
(22ページ)をインターネットで公表しており、近く更新版を出す方針。

 田母神氏は7日の記者会見でペーパー5枚の選挙公約を配った。
内容を煮詰めた上で、告示日までにネット上で公表するという。

 出馬会見が14日だった舛添氏は、口頭で3本柱の政策を発表。
17日にホームページで五つの政策を掲載したが、それぞれの説明は20~30
文字程度。

 細川氏は出馬会見予定が度々延期され、18日の時点で「22日夕に
会見する」としている。
今回選挙には、発明家のドクター・中松氏(85)らを含め計11人が出馬の
方向で、期日前投票は告示翌日の24日から可能だが、各候補の話しぶりなど
を確認する間もなく、「自らの1票」を決めなくてはならない人が多く出る恐れ
がある。

 この現状について、松本正生・埼玉大教授(政治意識論)は「通常は、
候補者が課題と対策を提示し、有権者が誰に投票するか考える。
今回は、五輪や高齢化、災害対策など有権者側が課題を列挙できるのに、
候補者側が政策を固めておらず、答えられないという異常事態だ」と指摘。
「突然の選挙で時間がなかったこともあるが、各党などが政策より誰なら
選挙に勝つか人選を優先したことも原因だ。有権者は今後、候補者がどの
ような政策を打ち出せるか吟味する必要がある」と語った。